オオハンゴンソウの駆除
8月29日(日)に円山公園で行なわれた「オオハンゴウソウの駆除大作戦!」に行ってきました。
講師は(有)緑花計画の笠康三郎さん。駆除に参加したボランティアは30名ほど、小学生から大人までさまざまです。外来生物をテーマに論文を書いている学生さんや、さっぽろタウンガーデナーの方の姿も見えました。
オオハンゴウソウは、外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律/2005年施行)で、「特定外来生物」に指定されています。
外来種とは、人間の活動によって他地域から入ってきた生物をさしますが、外来生物法では、人間やモノの移動が盛んになり始めた明治期以降に外国から入ってきた生物に焦点を絞っています。
「特定外来生物」には、オオハンゴウソウなどの植物や、マングースなどの動物、セイヨウオオマルハナバチなどの昆虫が、地域の自然環境や生態系などに影響を与える侵略的外来種として指定されています。たとえば、どんな影響なのかというと、在来種を捕食して本来の生態系を乱したり、在来種の生息地やエサを奪ってしまったり、在来種との交雑で遺伝的独自性を乱したりといったことがあるそうです。中には、人間の生命を脅かしたり、農産業に被害を与える種もあります。
オオハンゴンソウは、北アメリカ原産で、明治期に園芸種として日本に入ってきました。黄色いきれいな花を咲かせます。ワイルドフラワー緑化の材料としても使われていました。でも、繁殖力が強く在来種の生息地をどんどん奪って、広がっているそうです。円山公園には、2004年に札幌に台風が直撃し、公園内の木々が倒れてしまった後に、旺盛に繁殖するようになりました。
今回の「駆除大作戦!」では、まず屋内で、外来生物法の解説やオオハンゴウソウの特徴や繁殖による問題点などを解説いただいてから、屋外に出て、円山公園の職員の方もいっしょに1時間程度の駆除作業を行ないました。
最後に、駆除したオオハンゴンソウの重さをはかりましたが、234.5kgでした(焼却処分されるそうです)。
234.5kgは、暑い中、汗をたっぷりかきながら、駆除作業に精を出した方々の生態系を守るための貴重な活動の成果ですが、本来の生息地では、生態系の一部をなす植物として、周囲の景色や風土に溶け込んで育っているのだろうと思うと少々複雑です。
また、ボランティアとして参加している人も、通りかかる人も植物を好きな人が多いようで、「きれいなのに…」という声もあがっていました。
2時間という短い時間でしたが、レクチャーと作業、きれいな花を駆除するという悩ましさで、さまざまなことを学び、考えました。
園芸や緑化に重宝がられていた植物が、生態系を乱すというのは、多くのガーデナーにとって、気になる事実だと思います。
この駆除作業は、これからも毎年行なわれると思うので、ぜひ次回はご参加ください。いっしょに作業し、考えましょう。



