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「土づくり講習会」を開催しました

9月25日、百合が原公園で「土づくり講習会」を行いました。
講師は、百合が原公園主任の佐々木 博一が勤めました。

土づくりは植物が健全に育つ土壌環境を整えること。これから新しく花壇を造成する場合や、今まで植物を育てていてあまり生育の良くない場合は、土の状態が植物にとって良い状況かどうか見直した方がよいと佐々木主任。
理想的な団粒構造の土を作るにはどうしたらいいでしょうか?

土の中には目に見えない無数の土壌生物や微生物や菌がいて、植物残渣など腐植質を食べた排せつ物が団粒構造を形成し、植物が健全に育つ環境にしています。
これから花壇を作る場合には、微生物を多く含む堆肥を混ぜ込み、時間をかけて土が良い状態になるのを待つ。また、今良い状態にある場合も微生物のえさが切れないように継続して堆肥を補充しなければよい状況を保つことはできなません。
堆肥等で土壌改良をしたうえで、一年草、宿根草、野菜など植える植物に必要な成分の肥料を加えて土を整えます。
土の説明をしている

土壌改良をして保水性や保肥性が高まれば、潅水の回数や施肥量も減り、育てる側にとっても環境面でもプラスになる良いことばかりですが、土の中にいる微生物の力に助けてもらうためには、少々時間もかかり、労力も必要になるため、すぐには結果を得られなかったり、毎年の土づくりができなかったりすることもあるのではないでしょうか。
これまで土づくりをしてもよい結果が得られなかった経験があるためか、うなずきながら聞く方もいらっしゃいました。

百合が原公園では、公園管理の上で生じる花がらなどの植物残渣や落ち葉で堆肥を作ったり、剪定枝をチップにして利用する植物リサイクルの取り組みを行っています。
雨上がりの公園を歩いて、堆肥作りの現場を見学しました。

たい肥作りを見学している

新鮮な残渣を積んで切り返すうちに、少しずつ土になっていく様子や、昨秋のまだ形の残る落ち葉堆肥、2年後にふかふかの土になった落ち葉堆肥、ちょうど残渣をシュレッダーにかける様子も見ることができました。
落ち葉堆肥の見学
また、連作障害と思われるマドンナリリーの花壇と、草地にピンポイントに穴を掘り腐葉土で土壌改良をしたマドンナリリーの成長の違いには驚きました。
マドンナリリーの花壇

講習会中には米ぬかを利用して時間を短縮する方法や、プランターの土の再生法、マンションのベランダでのたい肥作りなど、ご自身の活動でたい肥作りをする上でのたくさんの質問が寄せられました。

緑のセンターの前のコキアは丸々と太り、今見ごろのダリアは見事な花を咲かせています。下を見るとしっとりと程よく水分を含んだ土、そこかしこにミミズの糞が見られます。
百合が原公園前の花壇

公園スタッフの細かな管理作業と堆肥作り、無数の微生物の働きがあって、このような景色が作られているのですね。

ご自宅やボランティア活動先の花壇で美しい花を咲かせられるよう、これからはじまる花壇終いの際に土づくりをして来シーズンに備えましょう。