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花と自然のフォーラム2010に参加しました

11月6日(土)にさっぽろ文芸館で開催されたフォーラムに参加しました。

講演者の杉井志織さんは東京で活躍する園芸家で、NHKの「趣味の園芸」で講師をされたり、毎日新聞住まいナビでも活躍されているそうです。講演ではたくさんの写真をつかって、杉井さん自身がつくったコンテナなどを紹介してくれました。面白いなと思ったのは、サラダボウルやエッグスタンド、そしてゴミ箱まで、身近にある安価な素材を器として活用した寄せ植えを数多くつくっていることです。

東京モノレールの流通センター駅前や、お台場海浜公園では市民の花壇ボランティアをサポートされているそうですが、70代の男性が多いというそのグループの活動内容や、周囲の景色を活かして花壇づくりをしようと工夫している様子などを聞かせていただきました。

印象深かったのは、子育て真っ最中の杉井さんが、都会暮らしの中で子どもたちに花と緑に親しんでもらうために行っていた日常生活での取り組みです。どんなことかというと、幼稚園への送り迎えの道すがら、たくさんの「いろ集め」をするのだそうです。庭先に植えられているピンクや黄色の花をみつけて、その花びらを1枚だけ家の人にお願いしてもらってくる、そんなことをしているうちに「あのおうちの人はお花を育てるのが上手だね」といった言葉が子どもたちから聞こえて来たそうです。

日々の生活の中で、無理なく楽しくできる環境教育、兼、ご近所づきあいといった感じです。でもこういったこともまさに「花と緑のまちづくり」です。

杉井さんの講演のあとは、主催者の「財団法人 国際花と緑の博覧会記念協会」が実施している助成事業の成果発表会でした。5団体それぞれが、20分程度の短い発表をしたのですが、とても面白く刺激的でした。


1団体の発表だけご紹介します。外来生物のヌートリアに関する取り組みです。ヌートリアは北海道にはいないので、私たちにとってはなじみはありませんが、南米生まれの大きなネズミのような半水生の動物です。日本には第二次大戦前後に、軍用毛皮目的で、輸入されました。

このヌートリア、とても人懐こく、「かわいい」そうです。たとえば、釣り人のそばにあらわれて、餌をもらって食べたりするのだとか。そのかわいいヌートリアは植物を根こそぎ食べてしまい、農産物などに深刻な被害を与えます。でも「かわいい」ということは、人間に愛される理由の一つになります。それは防除するにはなかなか難しい問題をはらんでくるようです。

ところで、防除といっても、単純につかまえたりするだけではなく、いてもらってもいい場所と、いてもらっては困る場所を検討し、後者の場合はそこから出て行ってもらえるように生息地を管理するといったこともするそうです。

発表では、ある地域では、農業用水をめぐる人間の生活と技術の変化が、ヌートリアの個体数の増加の要因の一つであると考えられ、ダム利用によって行われなくなった「ため池」管理のための水抜きを、地域ぐるみのイベントとして復活させることによって、個体数を大幅に減らすことができたという例も聞きました。

いずれにしても外来生物の導入や影響は、人間の生活に密接に関わっています。オオハンゴウソウなど外来の植物の問題を考える上でも参考になるお話でした。

質疑の際に交わされた意見交換も含め、「フォーラム」は、花と緑、自然についての様々な人たちの様々な角度からの意見・取り組みについて知る機会となり大変勉強になりました。

タウンガーデナーの方々も何人かいらっしゃっていたようですが、学んだことを活動に活かしていきたいですね。