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連続講座「まちなかガーデン入門」開講

 連続講座「まちなかガーデン入門」が、8月3日(火)18:30より、札幌エルプラザで開講しました。講師は有限会社 緑花計画の笠康三郎さん。参加者はさっぽろタウンガーデナーのみなさんなど16名。たっぷり2時間の講座でしたが、笠さんは、道路や公園、商店街などにつくられているいくつもの「まちなかガーデン」の事例や、「まちながガーデン」を実践し、継続するための秘訣などを、写真をみせながら具体的に話してくれました。参加者の方々は相槌を打ったり、笑ったりしながら熱心に耳を傾け、2時間はあっという間に過ぎてしまいました。


 印象に残る話がたくさんあったのですが、そのうちのいくつかを感想とともにご紹介したいと思います。

 まず、「花は緑の中にないと映えない」との言葉に、なるほど、と深くうなずくことができました。看板などの原色があふれている市街地に植えられている植物が、サルビア・マリーゴールドといった、赤・黄など強い色彩の花を咲かせる1年草でよいのか、という問題提起は、示唆に富むものでした。宿根草も使い、色どりやデザインを工夫することが必要だということを感じました。また、借景となる山や樹木の緑があると、花だんの美しさは際立つということを写真を使って紹介してくれたのですが、花だんをたくさんつくるだけではなくて、まちの緑全体を考えることが、豊かな「まちなかガーデン」づくりにつながるのかもしれないとも思いました。

 ところで、一年草が多く植えられている街路ますの花だんは、街路樹の傘の下で日当たりが悪く、雨水も遮られます。むかしスパイクタイヤを装着した車がまちを走っていたころに浴びた車粉の影響もあって、土がパサパサで花が育ちにくいそうです。そんな事情もあって、マリーゴールドなどの丈夫な花が選ばれているとも聞きました。

 現在、北区や東区で行なっているワークショップで出会う人たちの中には、街路ますに花を植えていたり、これから植栽したいという人が少なからずいます。「みんな頑張っているんだなあ」「どうしたらいい花壇をつくっていけるんだろう」など、おのずとその人たちの顔が頭に浮かんできます。

 「まちなかガーデン」をつくり、継続していくには、地域の歴史や産業などにちなんだストーリーが大切という話も印象深く聞きました。なぜその地域に、その花壇があるのか。必然性があって、多くの人にも訴えうるストーリーが、担い手が活動を継続していくための力になり、仲間や支援者を増やすことにもつながるのだろうと思いました。
 一方で、活動そのものがストーリーづくりにつながるということもありうるだろう、そういう活動も生まれてほしい、とも考えました。
 
 他にも植物についての知識、「まちなかガーデン」を支える(つくる)ためのしくみについてもお聞きすることができ、充実した内容でした。

 「まちなかガーデン入門」講座は全4回です。今後3回は、グリーンエプロンズ代表の狩野亜砂乃さんが講師です。活動の経験を踏まえた具体的なお話を聞いたり、「まちなかガーデン」の解説付き見学もできるのでとても楽しみです。笠さんから伺ったお話を、今後の講座でだんだんと深めていきたいと思っています。