「初夏の花・樹木を愉しむバスツアー」報告
7月1日(木)、「初夏の花・樹木を愉しむバスツアー」に行って来ました。
全道的に雨予報でしたが、ツアーは決行!
8:45にバスターミナルに集合し、出発しました。
バスの移動中には、札幌市公園緑化協会の荒川課長より「札幌の気候と植物栽培条件」と題したミニ講義を行いました。札幌市は積雪があるため、真冬の寒い時期でも地表下5cmの最低地温は、ほぼ0度を下回らないことや、生育期初期の5・6月は降水量が少ないため、植物の病気の発生が少ないなどの説明がありました。札幌は植物を育てる条件に恵まれているんですね。

最初の見学地は滝川市の「花・野菜技術センター」。案内役は研究部花き野菜グループ 主任研究員の生方雅男さんです。

ここでは、宿根草の試験圃場を見学させていただきました。試験栽培エリアのため、他から土を持ちこまないよう、靴の上からシューズカバーをはめて圃場へ入りました。

この圃場には、約500種のハーブや山野草、花などが栽培されています。どれも一般的に園芸店などで手に入れられる宿根草です。古いものでは2001年に植え付けられた株もありました。このキャットミントは8年前に植え付けられた株だそうです。

ここでは、あえて除草をしていないエリアもあります。雑草への耐性試験を行うためです。そのため、植栽したものの消えてしまった植物もありますが、下の写真のゲラニウムのように、種が飛んで、あちらこちらで大きな株が増えている花もありました。

下の写真左側はチコリ。右側のピンクの花は、他のエリアから種が飛んできて増えたムスクマロウです。みなさん、配布された資料やラベルを見ながら、お気に入りの花の名前を書きとめたり写真を撮ったりしていました。

チコリは遠目にはわかりませんが、近づいて枝をかき分けると青いかわいい花が咲いていました。

ゆっくりと「花・野菜技術センター」の圃場を見学した後は、滝川市の「ホテル三浦華園」でランチです。5つのテーブルにわかれて、楽しくおしゃべりしながらいただきました。

ランチの後は、バスの中で自己紹介をしながら移動。花と緑のボランティア活動をされている方がたくさんいらっしゃることがわかり、うれしかったです。
午後の見学は美唄の「林業試験場」。案内役は、研究主幹の清水一さんと緑化グループ主査の脇田陽一さんです。昨年2月に開催し、大盛況だった「北国のガーデニング樹木」で講師をしていただいたおふたかたです。
ふたつのチームにわかれて、ツアー形式で構内を案内していただきました。私は脇田さんチームにおともしました。コース入り口には、めずらしいシダレカラマツがあり、樹木の枝の張り方の説明をしていただきました。

こちらは、見頃のヤマボウシ。秋には赤くて甘い実がなるそうです。

このエリアは、いろいろな樹木でつくった生垣があるエリアです。よく見かけるドウダンツツジやカツラなどの他、ツル植物や、シラカバやイチョウで作った生垣も!いつもは見上げている木が生垣になっているので、不思議な感じです。

林業試験場では、花が終わってしまった樹木が多かったのですが、かわりにかわいい実を見ることができました。こちらは、ヒョウタンボクの実。花が2つずつ並んで咲き、ふたつの実がくっついてヒョウタンのように見えます。

こちらは、ハスカップ。ハスカップにもいろいろな種類があって味が違うと教えていただきました。

そうそう。‘コンサレッド’というハマナスをご存じですか?コンサドーレを応援するために、厚別公園や札幌ドームに植樹されたこの花は、何を隠そう「林業試験場」生まれなんですよ!残念ながら、もう散っていて写真に収めることはできませんでしたが、ハマナス類がいろいろと植えられていたので、少しだけ残っていた花を撮ってきました。(ごめんなさい。名前を書きとめていませんでした)

意外な樹木の利用方法や小果樹のことなど、楽しいお話しをたくさん聞くことができ、あっという間でした。
最後に、美唄の「ゆ~りん館」に立ち寄り、休憩・おみやげタイムです。雨が降らなかったのは良かったのですが、予想外に暑い日で、と~っても温泉に入りたかったのですが、ぐっとこらえて帰路に付きました。
今回は、私たち事務局で初めて企画したツアーで、至らないところも多々あったと思いますが、みなさんのおかげで何事もなくツアーを終えることができました。ありがとうございました。
「花・野菜技術センター」、「林業試験場」では、研究成果の情報発信や見学の受け入れなどを行っています。詳しくは、各ホームページをごらんください。
花や緑は季節によって見せる姿が違います。機会がありましたら、ぜひ訪ねてみてください。
◆花・野菜技術センター
ホームページ:http://www.agri.hro.or.jp/hanayasai/
※見学は事前申し込みが必要です。
◆林業試験場
ホームページ:http://www.hfri.pref.hokkaido.jp/default.htm
※試験場内は自由にご覧いただくことができますが、説明を希望される場合は、あらかじめご連絡ください。