ライラックの接ぎ木
先週の土曜日(3月13日)、札幌市公園緑化協会が主催するさっぽろ緑花園芸学校の実習をのぞいてみました。
緑花園芸学校では、花と緑を通じて地域社会に貢献するボランティアを育成しています。さまざまな角度から、園芸の知識や技術、ボランティアのあり方などを学ぶ1年間のプログラムを組んでいます。
さて実習会場は、「ライラックの森」で知られる川下公園。
20名ほどの受講者に混じって、ライラックの接ぎ木を体験しました。もしかすると、花と緑のネットワークのホームページをご覧いただいている方にとっては、親しみのある内容なのかもしれませんが、私にとっては生まれて初めて。楽しかったので報告します。
台木となるのはイボタ。
(下の写真・ポットに入ってずらりと並んでいるのが接ぎ木前のイボタ。高さ20cmくらい)

まずは下から5cmくらい(木の形など状態によります)の位置で、成長の方向に対して垂直にバッサリと剪定ばさみでカット。ポットに残された根っこがついてる側が台木になります(念のため)。
次に、カットした断面に対して垂直に(成長の方向と平行に)、長さ数センチの切れ目を入れます。幹の中心を真っ二つ、ではなく、表皮寄りのところに裂け目を入れるようにします。
その切れ目に、小さいライラックの枝(補木・長さ5cmくらいでした)を差し込むのです。補木も差し込む前に、縦方向に表面の一部を削り取って中の組織を露わにします。台木と穂木の形成層同士を重ね合わせて、くるくるとテープをまいて固定します。このとき上下(成長の方向)を間違わないように気をつけなくてはなりません。
あとは、湿度や温度の管理をしながら、両方の木がくっついて、成長していくのをひたすら待ちます。ちゃんと成長するかどうかはウデとか環境とか時期とか植物の状態しだいということですが、なんといっても経験がものをいうそうです。
木を殖やすにはいろいろな方法がありますが、接ぎ木の利点は、台木となる木の力を借りて、補木を育てられること。成長までの期間も短くなるそうです。2つの木が混ざっちゃわないのか? なんて不思議に思ったりもしますが、すごい知恵です。誰が考えたのでしょう。
それにしても、私の接ぎ木したライラックは無事に育つでしょうか…。ウデも経験もありませんが、愛情を少し注いでみました。