【団体紹介】豊平公園花とハーブの会
地下鉄東豊線豊平公園駅を出てすぐ、札幌市中心部にも近い便利な場所に大きな木に囲まれた豊平公園があります。農林水産省林業試験場の跡地を利用して生まれたこの公園は、約7.4ヘクタールの広い園内に北の風土に合わせた花づくり・庭づくりを提案する緑化植物園「緑のセンター」、ハーブや宿根草を取り入れた見本花壇、野草園、樹木園などがあり、地域の方に親しまれています。この公園のボランティア「豊平公園花とハーブの会」の会長をされている碓井孝子(うすいたかこ)さんに、発足の経緯や活動内容についてお話を伺いました。
(文責:岩谷道代)
まちを癒しの場に
碓井さんは福祉環境コーディネーター、カラーコーディネーター、レザーアーティストといった多彩な活動をされていらっしゃいます。2002年に第6回DPI世界会議札幌大会が隣接する「きたえーる」で開催されることになった際には、国内外から2000人を超える障がい者と関係者の方々が来訪することを予測し、前年の2001年に豊平公園のバリアフリー化改善提案をされました。周辺住民の方や地下鉄利用者の方、障がいのある方でも安心・安全に利用できる公園となるように、きめ細やかな配慮のもと、様々な提案をされたのです。豊平公園は、地域の方やボランティアの方々に見守られ、入りやすい健全な公園となり、また、交通の便も良く平坦な為、多くの方がのびのびと自由に歩き回って楽しめる癒しの公園となったのです。
札幌ではじめての公園ボランティア
2002年豊平公園の看板製作の仕事をされていた碓井さんに、当時の豊平公園管理事務所長の涌島さんから誘いがあり、札幌で初めての公園ボランティアとして「豊平公園花とハーブの会」が発足しました。開かれたみんなの公園を目的に、ボランティアの活動を通して公園の緑や管理、イベントなどに対して理解と関心を高めて欲しいとの願いからです。花やハーブの知識を深めたい方、園芸の技術を磨きたい方、美しい公園づくりに参加したい方が集まり、現在22名で活動しています。市民の方が公園の管理や計画に参加し関わる事で、よりよい公園が作られています。
公園での活動内容は様々です。基本的には年間スケジュールに従って月に2度の定例会でハーブや花壇の植栽や手入れ等を行っています。一大イベントの6月のハーブ展では、多くのハーブを展示し効能や利用方法を紹介します。また、お客様にハーブティーでのおもてなしもしています。12月のクリスマス展では会員のみなさんのアイディアをあふれるリースやオブジェが緑のセンターを彩ります。準備には何日もかけ、様々な作品が並びます。会員にはボタニカルアートや押し花、藍染、ハーブコーディネーターなど多彩な特技を持つメンバーに恵まれており、様々な勉強会やイベントを企画、開催しています。
楽しく活動をつづけるには
会員の方々への連絡や年1回発行の会報の作成は公園管理事務所と連携をとって行われています。特に当番やノルマ等は決めることをせず、個人個人の都合に合わせて活動しており、たまにしか来ない人でも、新入会員でも、現場で楽しく作業をして帰る。それが、長く活動をする秘訣ではないかと碓井さんはおっしゃいます。いろいろな方の感性を大切にしながら、楽しく活動の幅を広げ、年々レベルアップしています。
現在(12月25日まで)豊平公園緑のセンターでクリスマス展開催中です。公園内の樹木や草花を剪定、手入れした時に出る葉・花・木の実などの自然素材をふんだんに使った力作をぜひ、ご覧下さい!